毎月の経理作業、手入力で一つひとつ仕訳を打ち込んでいませんか?
クラウド会計ソフトの「銀行口座連携」と「自動仕訳」を使えば、経理にかかる時間を大幅に短縮できます。銀行口座やクレジットカードの取引データが自動で取り込まれ、AIが仕訳候補を提案してくれるので、あとは内容を確認して登録するだけです。
この記事では、銀行口座連携の仕組みから、freee・マネーフォワード・弥生それぞれの連携方法、自動仕訳を使いこなすコツまで詳しく解説します。

🐧 ナビ助のおすすめ!
銀行口座連携とは?仕組みをわかりやすく解説
銀行口座連携とは、クラウド会計ソフトと金融機関の口座を紐づけて、入出金データを自動で取り込む仕組みのことです。
連携方法には主に2種類あります。
API連携(推奨)
銀行が提供する公式のAPI(Application Programming Interface)を通じてデータを取得する方式です。銀行側が認可した安全なルートでデータをやり取りするため、セキュリティ面で優れています。会計ソフト側にログインIDやパスワードを預ける必要がありません。
スクレイピング連携
会計ソフトがインターネットバンキングにログインして、取引データを読み取る方式です。API連携に対応していない金融機関で使われます。ログイン情報を会計ソフト側に預ける必要があるため、API連携と比べるとセキュリティ面でやや劣ります。
現在はメガバンクや主要ネット銀行のほとんどがAPI連携に対応しています。新しく口座を開設するなら、API連携対応の銀行を選ぶのがおすすめです。
銀行口座連携のメリット5つ
1. 入力作業が大幅に減る
最大のメリットは、手入力の手間がほぼなくなることです。銀行口座の入出金、クレジットカードの利用明細、電子マネーの決済データなどが自動で取り込まれます。個人事業主であれば、月に数十件~数百件の取引を手入力する必要がなくなります。
2. 入力ミスが減る
手入力では金額の打ち間違いや日付の誤りが起こりがちですが、自動取込なら銀行のデータがそのまま反映されるため、入力ミスが発生しません。
3. リアルタイムで資金状況を把握できる
連携したデータは定期的に自動更新されるため、現在の口座残高や最新の入出金状況をリアルタイムに近い状態で確認できます。資金繰りの管理にも役立ちます。
4. 自動仕訳で記帳のスピードが上がる
取り込まれた取引データに対して、AIが勘定科目を自動で推測して仕訳候補を提案してくれます。同じ取引先からの入出金は学習して精度が上がっていくため、使い込むほど記帳作業が速くなります。
5. 帳簿と通帳の整合性が保たれる
銀行のデータが直接取り込まれるため、帳簿の残高と通帳の残高が自然に一致します。決算時の残高照合の手間も軽減されます。

freee・マネーフォワード・弥生の銀行連携を比較
freeeの銀行連携
freeeは約3,200以上の金融サービスと連携可能です。銀行口座だけでなく、クレジットカード、電子マネー、ECサイト(Amazon、楽天など)の取引データも取り込めます。自動仕訳のAI精度も高く、取引先名から勘定科目を推測してくれます。
マネーフォワードの銀行連携
マネーフォワードは約2,400以上の金融サービスに対応しています。銀行連携の強みは、複数の銀行口座を一元管理できる点です。個人向けの「マネーフォワード ME」と連携できるため、事業用とプライベートの資産管理を一画面で確認することもできます。
弥生の銀行連携
弥生会計オンライン・やよいの青色申告オンラインも銀行連携に対応しています。スマート取引取込という機能で、銀行明細やクレジットカード明細を自動取得します。対応金融機関数はfreeeやマネーフォワードよりやや少ないものの、主要な銀行はカバーしています。
連携できる金融機関は各社で異なります。自分が使っている銀行やクレジットカードが対応しているか、事前に各公式サイトで確認してから会計ソフトを選びましょう。
自動仕訳を使いこなすコツ
仕訳ルールを登録する
自動仕訳の精度を上げるには、「仕訳ルール」を積極的に登録することが大切です。たとえば「Amazon」という取引先名が含まれる支出は「消耗品費」に分類する、といったルールを設定しておけば、次回以降は自動で正しい勘定科目が適用されます。
定期的に仕訳を確認する
自動仕訳はあくまで「提案」であり、最終的な判断は自分で行う必要があります。週に1回程度は取り込まれた取引データを確認し、勘定科目の間違いがないかチェックする習慣をつけましょう。
事業用口座とプライベート口座を分ける
事業用の口座とプライベートの口座を分けておくと、取り込まれるデータがすべて事業関連になるため、仕訳作業がさらに簡単になります。まだ分けていない方は、事業用のネット銀行口座を開設することをおすすめします。

🐧 ナビ助のおすすめ!
銀行口座連携のセキュリティは大丈夫?
「銀行口座の情報をクラウドに預けて大丈夫なの?」という不安は当然あると思います。結論から言うと、API連携であれば高いセキュリティが確保されています。
API連携では、銀行が認可した正式なルートでデータを取得するため、会計ソフト側にインターネットバンキングのログイン情報を保存する必要がありません。また、取得するのは取引明細の「読み取り」データのみで、振込や送金などの操作はできない設計になっています。
さらに、freee・マネーフォワード・弥生のいずれも、通信の暗号化(SSL/TLS)やデータの暗号化保存など、金融機関レベルのセキュリティ対策を施しています。
連携できるのは銀行だけじゃない
クラウド会計ソフトの連携先は銀行口座だけではありません。以下のようなサービスとも連携できます。
- クレジットカード:利用明細を自動取込
- 電子マネー・QRコード決済:PayPay、Suicaなど
- ECサイト:Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなど
- POSレジ:Airレジ、スマレジなど
- クラウド請求書サービス:請求データとの連携
これらをフル活用すれば、日々の取引のほとんどが自動で会計ソフトに取り込まれるようになります。
銀行口座連携の初期設定手順
実際に銀行口座連携を設定する際の基本的な流れを紹介します。
Step 1:連携する口座を準備する
まず、事業で使っている銀行口座のインターネットバンキングを有効にしておく必要があります。まだインターネットバンキングに申し込んでいない場合は、各銀行の窓口やWebサイトから手続きしましょう。
Step 2:会計ソフトで金融機関を検索する
会計ソフトの「口座連携」や「データ連携」メニューを開き、連携したい金融機関名を検索します。メガバンク、地方銀行、ネット銀行など、幅広い金融機関が表示されるはずです。
Step 3:認証手続きを行う
API連携の場合は、銀行のサイトに遷移してログインし、会計ソフトへのデータ提供を許可します。スクレイピング連携の場合は、インターネットバンキングのログイン情報を会計ソフトに入力します。
Step 4:過去の取引データを取込む
連携すると、過去数ヶ月分の取引データが自動で取り込まれます。取り込まれた各取引に対して勘定科目を設定し、仕訳として登録していきます。最初は一つひとつ確認が必要ですが、次回以降は学習機能により自動で科目が提案されます。
Step 5:自動仕訳ルールを調整する
取り込まれた取引データを確認しながら、「この取引先は○○費」というルールを登録していきます。2~3ヶ月ほど使い込むと、ほとんどの取引が自動で正しい勘定科目に分類されるようになります。
連携がうまくいかないときの対処法
連携が切れてしまった場合
銀行のセキュリティ更新やパスワード変更により、連携が切れることがあります。この場合は、会計ソフトの連携設定画面から再認証を行ってください。API連携の場合は、銀行サイトで再度許可を出す必要があります。
取引データが二重に取り込まれた場合
手入力した取引と自動取込の取引が重複することがあります。freeeには「自動で経理」画面で重複を検知する機能があり、マネーフォワードや弥生にも同様の機能があります。重複を見つけたら、片方を削除して対応しましょう。
勘定科目が正しく推測されない場合
自動仕訳の精度は学習によって向上しますが、初期段階では誤った科目が提案されることがあります。手動で正しい科目に修正し、仕訳ルールとして登録することで、次回以降は正しく分類されるようになります。

銀行口座連携に関するQ&A
Q. 銀行口座連携は安全?不正利用のリスクは?
API連携ではデータの「読み取り」のみが許可されており、振込や送金などの操作は一切できません。また、通信はすべて暗号化されています。不正利用のリスクは極めて低いと考えて大丈夫です。
Q. 連携できる口座数に制限はある?
会計ソフトのプランによって異なります。freeeのスタータープランでは口座数の制限はありませんが、マネーフォワードのパーソナルミニプランでは連携可能な口座数が4件に制限されています。複数の口座を連携したい場合は、上位プランの検討が必要です。
Q. 地方銀行やJAバンクも連携できる?
主要な地方銀行はfreee・マネーフォワードの両方で連携対応しています。ただし、一部の信用金庫やJAバンクなどは対応していない場合があります。連携非対応の場合は、CSVファイルで明細データを手動インポートする方法もあります。
Q. クレジットカードの連携は個人用と事業用を分けるべき?
できるだけ分けることをおすすめします。事業専用のクレジットカードを作っておけば、連携したすべての取引が事業関連になるため、仕訳の確認作業が格段に楽になります。個人用カードを連携する場合は、プライベートの利用分を「事業主貸」として処理する必要があります。
Q. 現金取引が多い場合はどうすればいい?
現金取引は銀行口座連携では取り込めないため、レシート撮影機能や手入力で記帳する必要があります。ただし、できるだけキャッシュレス決済を使うことで、手入力の手間を減らすことができます。事業用のクレジットカードや電子マネーを活用しましょう。
まとめ
銀行口座連携と自動仕訳は、クラウド会計ソフトの最大の強みです。
- 銀行口座連携で入出金データが自動取込され、手入力がほぼ不要に
- API連携なら高いセキュリティで安心して利用できる
- 自動仕訳は使い込むほど精度が上がり、記帳作業が高速化する
- 事業用口座とプライベート口座を分けるとさらに効率アップ
- 銀行以外にもクレジットカード・電子マネー・ECサイトなどと連携可能
まだ手入力で経理を行っている方は、まずは銀行口座連携の設定から始めてみてください。一度体験すると、もう手入力には戻れなくなるはずです。
各会計ソフトの連携設定の詳細は、マネーフォワードの銀行連携ページや、GMOあおぞらネット銀行の会計ソフト連携ガイドも参考にしてみてください。また、セキュリティについて詳しく知りたい方はお名前.comの会計ソフト連携解説ページをご確認ください。
🐧 ナビ助のおすすめ!

