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個人事業主が従業員を雇ったら?源泉徴収・年末調整のやり方を解説

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「アルバイトを1人雇うことになったけど、給与の税金ってどう処理すればいいの?」「源泉徴収とか年末調整とか、自分でやらなきゃいけないの?」と不安を感じている個人事業主の方は少なくありません。

個人事業主が従業員やアルバイトを雇った場合、給与から所得税を天引き(源泉徴収)して国に納付する義務が生じます。さらに年末には年末調整の手続きも必要です。聞くと大変そうですが、流れを理解して会計ソフトを活用すれば、1人分の給与計算なら十分こなせます。

この記事では、従業員を雇い始めたときに必要な届出から、毎月の源泉徴収の計算方法、年末調整の手順までを、一つずつわかりやすく解説します。

ナビ助
ナビ助
人を雇うとやることが一気に増えるよね。でも一回流れを覚えてしまえばルーティンだから、最初だけ頑張ろう。

従業員を雇ったらまず提出する届出書類

従業員を初めて雇った場合、いくつかの届出書類を税務署や自治体に提出する必要があります。

税務署に提出する書類

ポイント
  • 給与支払事務所等の開設届出書:従業員に給与を支払い始めてから1ヶ月以内に提出
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:従業員が常時10人未満の場合に提出可能。これを出すと源泉所得税の納付が毎月ではなく年2回(1月と7月)にまとめられる

特に「納期の特例」は、少人数の従業員を雇う個人事業主には非常にありがたい制度です。毎月の納付手続きが年2回に減るため、事務負担がかなり軽くなります。

従業員から受け取る書類

従業員には入社時に以下の書類を提出してもらいましょう。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書:扶養家族の状況を把握するための書類。これをもとに源泉徴収税額を決定する
  • マイナンバー(個人番号)の提供:給与支払報告書や源泉徴収票の作成に必要

毎月の源泉徴収のやり方

源泉徴収とは、従業員に支払う給与から所得税を天引きして、代わりに国に納付する仕組みです。

源泉徴収税額の計算方法

毎月の給与から差し引く所得税の金額は、国税庁が公表している「源泉徴収税額表」を使って求めます。

  1. その月の給与額(社会保険料を差し引いた後の金額)を確認する
  2. 扶養控除等申告書の内容から扶養親族の数を確認する
  3. 源泉徴収税額表の「甲欄」(扶養控除等申告書を提出している場合)で、該当する税額を探す

たとえば、月額給与が20万円で扶養親族が0人の場合、源泉徴収税額は4,770円です(記事執筆時点の税額表による)。

ナビ助
ナビ助
税額表を見ながら計算するのは面倒だけど、給与計算ソフトを使えば自動で計算してくれるよ。freee人事労務やマネーフォワード クラウド給与が便利だね。

源泉所得税の納付方法

天引きした所得税は、原則として給与を支払った月の翌月10日までに税務署に納付する必要があります。

納期の特例の承認を受けている場合は、以下の年2回にまとめて納付できます。

  • 1月〜6月分 → 7月10日までに納付
  • 7月〜12月分 → 翌年1月20日までに納付

納付方法は、税務署窓口での納付書持参のほか、e-Taxやダイレクト納付、インターネットバンキングでの電子納付も利用できます。

年末調整の手順

年末調整は、その年の最後の給与支払い時に行う精算手続きです。毎月概算で天引きしてきた源泉所得税の合計額と、年間の正確な所得税額を比較し、差額を精算します。

年末調整の流れ

  1. 11月頃:従業員に年末調整の書類(扶養控除等申告書、保険料控除申告書など)を配布し、記入・提出してもらう
  2. 12月の最終給与支払い前:提出された書類をもとに、年間の所得税を正確に計算する
  3. 過不足の精算:天引きした源泉所得税の合計額と正確な税額を比較し、多く徴収していた場合は従業員に還付、不足していた場合は追加徴収する
  4. 翌年1月末まで:源泉徴収票を従業員に交付し、給与支払報告書を市区町村に提出する

年末調整で使う書類一覧

ポイント
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書(生命保険料・地震保険料の控除用)
  • 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除を受ける2年目以降の従業員のみ)
ナビ助
ナビ助
年末調整は毎年11〜12月に集中する作業だから、早めに従業員に書類を渡しておくのがコツだよ。ギリギリだとバタバタして大変になるからね。

青色事業専従者への給与の場合

家族に事業を手伝ってもらっている場合、青色申告者であれば「青色事業専従者給与」として家族への給与を経費に計上できます。ただし、いくつかの要件があります。

専従者給与の要件

  • 青色申告者と生計を一にする配偶者や親族であること
  • その年の12月31日時点で15歳以上であること
  • 年間6ヶ月を超える期間、事業に専従していること
  • 事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出していること

専従者給与も通常の給与と同様に源泉徴収の対象です。年末調整も必要になるため、一般の従業員と同じ手続きを行います。

社会保険・労働保険の手続き

従業員を雇うと、源泉徴収だけでなく社会保険・労働保険の手続きも必要になる場合があります。

労災保険(必須)

従業員を1人でも雇った場合、労災保険への加入は義務です。労働基準監督署に「保険関係成立届」を提出し、保険料を納付します。労災保険料は全額事業主負担です。パート・アルバイトを含むすべての従業員が対象になります。

雇用保険

週20時間以上働く従業員がいる場合は、雇用保険への加入が必要です。ハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。保険料は事業主と従業員の両方で負担します。

健康保険・厚生年金保険

個人事業主の場合、従業員が常時5人未満であれば、健康保険・厚生年金保険への加入は任意です。ただし、5人以上の従業員を雇用する場合は原則として加入義務が生じます。

ナビ助
ナビ助
労災保険は1人でも雇ったら必須だよ。忘れがちだけど、万が一の事故に備えて最初にしっかり手続きしておこう。

会計ソフトの給与計算機能を活用しよう

源泉徴収や年末調整を手計算で行うのは大変ですが、クラウド会計ソフトの給与計算機能を使えば、ほぼ自動化できます。

freee人事労務

freeeでは「freee人事労務」というサービスで給与計算・年末調整をカバーしています。給与明細の作成から源泉徴収税額の計算、年末調整の電子申告までワンストップで対応可能です。

マネーフォワード クラウド給与

マネーフォワードの「クラウド給与」では、給与計算の自動化と給与明細の電子発行が可能です。マネーフォワード クラウド会計と連動して給与の仕訳も自動で作成されます。

弥生のサービス

弥生では「やよいの給与明細 Next」などのサービスで給与計算と年末調整に対応しています。会計ソフトと連携して使うことで、給与に関する仕訳の入力も効率化できます。

給与計算で間違えやすいポイント

通勤手当の非課税枠

従業員に通勤手当を支給する場合、一定額までは所得税が非課税となります。電車・バス通勤の場合は月額15万円まで、マイカー通勤の場合は通勤距離に応じた限度額が設定されています。この非課税枠を超えた部分は給与として源泉徴収の対象になるため、通勤手当の金額設定には注意が必要です。

賞与の源泉徴収

ボーナス(賞与)を支給する場合は、通常の月額給与とは異なる税額表(「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」)を使って源泉所得税を計算します。賞与は前月の給与金額と扶養親族の数に応じて税率が変わるため、間違いやすいポイントです。給与計算ソフトを使えば自動で計算してくれます。

住民税の特別徴収

従業員の住民税を毎月の給与から天引きして市区町村に納付する「特別徴収」の事務も必要です。毎年5月頃に市区町村から届く「特別徴収税額決定通知書」に記載された金額を、6月から翌年5月まで毎月給与から差し引きます。

ナビ助
ナビ助
住民税の特別徴収は忘れがちだけど、市区町村から通知が届くから確認しておこう。給与計算ソフトに登録しておけば自動で天引きしてくれるよ。

よくあるQ&A

Q. パート・アルバイト1人だけでも源泉徴収は必要?

はい、必要です。月額88,000円未満(扶養控除等申告書の提出がある甲欄の場合)であれば源泉徴収税額は0円になりますが、源泉徴収の義務自体はあります。扶養控除等申告書は必ず提出してもらいましょう。

Q. 外注先への支払いも源泉徴収が必要?

デザイナー、ライター、カメラマンなど一定の業務を外注した場合は、報酬から源泉徴収する必要があります。報酬額が100万円以下の場合は報酬額の10.21%を天引きします。ただし、法人への支払いの場合は原則として源泉徴収は不要です。

Q. 年末調整をせずに確定申告してもらう方法はある?

短期のアルバイトや、複数の勤務先がある従業員の場合、年末調整を行わず各自で確定申告してもらうことも可能です。ただし、メインの勤務先(扶養控除等申告書を提出している先)では原則として年末調整が必要です。

まとめ:源泉徴収・年末調整は会計ソフトで効率化

ポイント
  • 従業員を雇ったら「給与支払事務所等の開設届出書」を1ヶ月以内に提出
  • 従業員10人未満なら「納期の特例」で納付回数を年2回にできる
  • 毎月の給与から源泉徴収税額表に基づいて所得税を天引きする
  • 年末調整は12月の最終給与で精算を行う
  • 給与計算ソフトを使えば、計算・明細作成・年末調整まで自動化できる

人を雇うと経理の負担は増えますが、クラウドの給与計算ソフトを活用すれば、1〜2人程度の従業員なら十分自力で対応できます。最初の届出さえしっかり済ませれば、あとは毎月・年末のルーティンをこなしていくだけです。

参考リンク:国税庁 – 源泉徴収のしかたfreee – 個人事業主でも年末調整が必要なケースとは?

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