minneやCreema、メルカリなどでハンドメイド作品を販売して収入を得ている方は、確定申告が必要になる場合があります。「趣味の延長だから税金は関係ない」と思っている方もいるかもしれませんが、一定額以上の利益が出ていれば確定申告の義務があります。
ハンドメイド販売は材料費や出品手数料などの経費が意外と多いため、経費を正しく計上すれば税負担を抑えられるケースも多いです。知らないまま放置してしまうと、あとから追徴課税を受けるリスクもあります。
この記事では、ハンドメイド販売の確定申告が必要になる条件、経費にできるもの、具体的な申告手順、そして節税のテクニックまで詳しく解説していきます。

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ハンドメイド販売で確定申告が必要になる条件
ハンドメイド作品の販売で確定申告が必要かどうかは、「売上」ではなく「所得(利益)」で判断します。所得とは、売上から材料費や手数料などの経費を差し引いた金額のことです。
申告が必要な基準
| あなたの状況 | 申告が必要な基準 |
|---|---|
| 会社員・パートの副業でハンドメイド販売 | 所得が年間20万円を超えたら |
| 専業主婦・主夫でハンドメイドのみの収入 | 所得が年間48万円を超えたら |
| 個人事業主としてハンドメイド販売 | 事業所得として他の収入とあわせて申告 |
たとえば年間の売上が60万円でも、材料費や手数料で45万円かかっていれば所得は15万円です。副業の場合、20万円以下なので確定申告は不要になります。ただし、住民税の申告は別途必要です。
所得区分は「雑所得」か「事業所得」
ハンドメイド販売の所得は、活動の規模や継続性によって区分が変わります。
- 雑所得:趣味の延長で小規模に販売している場合
- 事業所得:開業届を出して継続的・反復的に販売し、相応の収入がある場合
事業所得にすると青色申告特別控除(最大65万円)が使えるため、本格的に販売している方は開業届を出して事業所得にするのがおすすめです。
ハンドメイド販売で経費にできるもの
ハンドメイド販売は材料費を中心に多くの経費が発生します。経費を漏れなく計上することが、節税の基本です。
経費一覧
| 経費項目 | 勘定科目 | 具体例 |
|---|---|---|
| 材料費・素材代 | 仕入高 / 原材料費 | 布、糸、ビーズ、金具、レジン、革、木材など |
| 工具・道具 | 消耗品費 | ハサミ、ペンチ、ニッパー、グルーガン、ミシン針など |
| 販売手数料 | 支払手数料 | minne(10.56%)、Creema(11%)、メルカリ(10%)の販売手数料 |
| 送料・配送料 | 荷造運賃 | 商品の発送にかかる配送料 |
| 梱包資材 | 荷造運賃 / 消耗品費 | 箱、封筒、緩衝材、リボン、シール |
| 撮影関連 | 消耗品費 | 撮影用背景紙、照明、カメラ(按分計算) |
| 通信費 | 通信費 | スマホ代、インターネット代(按分計算) |
| イベント出展 | 出品手数料 | ハンドメイドマーケットの出展料、交通費 |
| 作業場の家賃 | 地代家賃 | 自宅兼作業場の家賃(按分計算) |
| 電気代 | 水道光熱費 | ミシンやアイロンの使用分(按分計算) |
| 書籍・教材 | 新聞図書費 | ハンドメイドの技法書、デザインの参考書 |
| 講座・ワークショップ | 研修費 | 技術向上のための講座受講料 |


ハンドメイド販売の確定申告の手順
ステップ1:年間の売上を集計する
minne、Creema、メルカリなど使っているプラットフォームの管理画面から、1月1日~12月31日の売上を集計します。複数のプラットフォームを使っている場合は全て合算してください。イベント出展での売上も忘れずに含めます。
ステップ2:経費を集計する
材料費、販売手数料、送料、梱包資材費などの経費を集計します。販売プラットフォームの手数料は管理画面で確認できます。材料の購入レシートやクレジットカード明細をもとに、経費を漏れなくリストアップしましょう。
ステップ3:在庫の棚卸しをする
年末時点で売れ残っている材料や完成品は「在庫」として扱い、その年の経費からは除外する必要があります。12月31日時点の在庫金額を把握しておきましょう。
材料を購入しても、年末時点で使っていない分は「期末在庫」として経費から差し引きます。たとえば年間の材料購入額が30万円で、年末在庫が5万円なら、その年の材料費は25万円になります。
ステップ4:申告書を作成する
国税庁の確定申告書等作成コーナー(国税庁 確定申告書等作成コーナー)で申告書を作成します。「雑所得」または「事業所得」の入力画面で、収入金額と経費を入力します。会計ソフトなら帳簿作成から申告書の出力まで対応できます。
ステップ5:提出する
e-Taxで電子申告するか、印刷して税務署に提出します。青色申告の場合は「青色申告決算書」も一緒に提出します。
ハンドメイド作家の帳簿付けのコツ
確定申告をスムーズに行うためには、日々の帳簿付けが大切です。ハンドメイド作家ならではの記録のポイントを紹介します。
まず、材料を購入したら必ずレシートを保管してください。100円ショップで買った小さな素材でも、積み重なると大きな経費になります。レシートはスマホで撮影しておくか、会計ソフトのレシート読み取り機能を使うと管理しやすくなります。
次に、作品ごとの原価を把握しておくことも重要です。材料費だけでなく、梱包資材や送料、販売手数料も含めた「1作品あたりのコスト」を計算しておくと、適正な販売価格の設定にも役立ちます。年末の在庫棚卸しの際にも、作品ごとの原価がわかっていれば計算がスムーズです。
ハンドメイド作家の節税テクニック
家内労働者等の必要経費の特例
ハンドメイド作家は「家内労働者等」に該当する場合があり、実際の経費が少なくても最低65万円まで必要経費として認められる特例があります(令和7年度税制改正により55万円から65万円に引き上げ)。ただし、この特例は給与所得がある場合は給与所得控除との調整が必要です。
青色申告特別控除を活用する
開業届と青色申告承認申請書を提出すれば、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。会計ソフトで複式簿記をつけてe-Taxで申告するだけなので、ぜひ活用しましょう。
小規模企業共済で将来の備えと節税を両立
個人事業主として活動しているなら、小規模企業共済に加入すると掛金が全額所得控除になります。将来の退職金代わりにもなるので、安定して収入がある方にはおすすめです。


ハンドメイド販売の確定申告でよくある疑問Q&A
Q. 趣味で作っていたものを友人に売った場合は?
趣味の範囲で少量を売っている程度なら、所得が基準以下であれば確定申告は不要です。ただし、反復的・継続的に利益を得る目的で販売している場合は、金額にかかわらず事業活動とみなされる可能性があります。
Q. ハンドメイドと不用品販売が混在している場合は?
ハンドメイド作品の販売収入と、生活用品の不用品売却は区別して管理してください。不用品売却は原則非課税ですが、ハンドメイド販売は課税対象です。
Q. 確定申告しないとバレる?
minneやCreemaなどのプラットフォームには取引データが残っており、税務署が調査する場合は情報を照会できます。無申告が発覚すると、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税が課されます。
Q. 扶養に入っている場合、いくらまでなら大丈夫?
配偶者の扶養に入っている場合、所得が48万円を超えると配偶者控除の対象から外れる可能性があります。また、社会保険の扶養は収入(経費を引く前)で判断されるケースもあるため、加入している健康保険組合のルールを確認してください。
Q. 材料をまとめ買いした場合の経費計上は?
年内に使い切った分はその年の経費にできますが、年末に残っている分は「在庫」として翌年に繰り越します。まとめ買いした金額をそのまま経費にはできないので注意しましょう。
Q. ミシンなどの高額な道具を買った場合は?
10万円未満のミシンなら全額その年の経費にできます。10万円以上30万円未満の場合は、青色申告者なら「少額減価償却資産の特例」で全額経費にできます。30万円以上のミシンは耐用年数に応じた減価償却が必要です。工業用ミシンの耐用年数は5年です。
Q. ワークショップや教室の講師収入も申告が必要?
はい、ハンドメイドのワークショップや教室を開催して講師料を受け取っている場合も、その収入は申告対象です。ハンドメイド販売の収入と合算して申告します。教室の会場費や材料費も経費にできます。
Q. 自宅の作業スペースは経費にできる?
自宅の一部をハンドメイドの作業場として使っている場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上できます。たとえば自宅の4分の1を作業スペースに使っているなら、家賃の25%を地代家賃として経費にできます。按分の根拠(面積比や使用時間比)を記録しておきましょう。


「梱包資材費」と「送料」を管理しやすくする備え
経費の一覧でも挙げたとおり、ハンドメイド販売では梱包資材費が毎月かかり続けます。作品を傷めずに送るためのクッション封筒やプチプチは、必要なときに買い足していると単価も記帳の手間も上がりがちです。
作品のサイズが固定してきたら、よく使う規格をまとめ買いしておくと、仕入れの回数が減って帳簿もシンプルになります。内寸と入り数を商品ページで確認してから選んでみてください。
送料も経費であると同時に、そのまま利益を削る要素です。梱包後の重さを発送前に量っておけば、想定していた送料区分と実際がずれる場面を減らせます。ハンドメイド作家がキッチンスケールを作業机に置いているのは、材料の計量と発送準備を同じ道具で済ませられるからでもあります。
まとめ
ハンドメイド販売の確定申告は、売上から材料費や手数料などの経費を引いた「所得」が基準を超えるかどうかで判断します。副業なら20万円超、専業なら48万円超が目安です。材料費、販売手数料、送料、梱包資材など、経費にできるものを漏れなく計上しましょう。
本格的に活動するなら、開業届を出して青色申告にすることで65万円の控除を活用できます。会計ソフトを使えば帳簿付けも簡単なので、ハンドメイド販売を楽しみながら、税金の管理もしっかり行ってください。
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