個人事業主としてビジネスを始めるとき、最初にやるべき手続きが「開業届」の提出です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、事業を開始した日から1ヶ月以内に税務署へ提出する必要があります。
「なんだか手続きが面倒そう…」と感じるかもしれませんが、freee開業やマネーフォワード クラウド開業届を使えば、最短5分で書類作成が完了します。しかも無料です。
この記事では、開業届の基本知識から、無料ツールを使った具体的な作成・提出手順、一緒に出しておくべき届出書まで、開業に必要なことをすべて解説します。

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開業届とは?出す意味と基本を知ろう
開業届は、個人が新たに事業を始めたことを税務署に届け出るための書類です。所得税法第229条で「事業の開始から1ヶ月以内に提出する」と定められています。
開業届を出すメリット
- 青色申告ができるようになる(最大65万円の特別控除)
- 屋号付きの銀行口座を開設できる
- 小規模企業共済やiDeCoに加入しやすくなる
- 事業用のクレジットカードを作れる
- 補助金や助成金の申請時に必要になることがある
開業届を出さないデメリット
開業届を出さなくても罰則はありませんが、青色申告承認申請書を提出できないという大きなデメリットがあります。白色申告のままだと、青色申告特別控除(最大65万円)が受けられず、年間で数万円〜十数万円の税金を余分に払うことになりかねません。
開業届と青色申告承認申請書はセットで提出するのが基本です。青色申告承認申請書は、開業日から2ヶ月以内(1月1日〜1月15日に開業した場合は3月15日まで)に提出する必要があります。
開業届の提出に必要なもの
開業届を提出する際に準備しておくものを確認しましょう。
- マイナンバーカード(電子申請の場合)またはマイナンバー通知カード+本人確認書類(窓口提出の場合)
- 印鑑(窓口提出の場合。認印でOK)
- 屋号(任意。後から変更も可能)
- 事業の概要(どんな仕事をするか簡潔に書けるようにしておく)
- 開業日(事業を開始した日。過去の日付でもOK)
freee開業を使った開業届の作成・提出手順
freee開業は、freee株式会社が提供する無料の開業届作成サービスです。質問に答えていくだけで、開業届と青色申告承認申請書が自動で作成されます。
ステップ1:アカウント登録
freee開業のサイトにアクセスし、メールアドレスとパスワードを入力してアカウントを作成します。Googleアカウントでのログインも可能です。
ステップ2:基本情報の入力
画面の案内に従って、以下の情報を入力していきます。
- 氏名・住所・生年月日
- 仕事の種類(プルダウンから選択)
- 開業日
- 屋号(任意)
- 収入の見込み
- 従業員の有無
ステップ3:書類の確認と提出
入力内容に基づいて、開業届と青色申告承認申請書が自動生成されます。内容を確認したら、以下のいずれかの方法で提出します。
- 電子申請(スマホ・PC):マイナンバーカードがあれば、自宅から税務署に行かずに提出できる
- 税務署に持参:印刷して最寄りの税務署窓口に持って行く
- 郵送:印刷して税務署に郵送する(返信用封筒を同封すると控えが届く)

マネーフォワード クラウド開業届を使った手順
マネーフォワード クラウド開業届も、無料で開業届を作成できるサービスです。freee開業と同様に、質問に答えるだけで書類が完成します。
基本的な流れ
- マネーフォワードのアカウントを作成
- 画面の案内に沿って必要事項を入力
- 書類が自動生成されるので内容を確認
- PDF形式でダウンロードして印刷・提出、または電子申請
freee開業との違い
機能面ではどちらもほぼ同じです。すでにマネーフォワードの会計ソフトを使っている方はマネーフォワード、freeeの会計ソフトを使う予定の方はfreee開業を選ぶと、その後のデータ連携がスムーズになります。
どちらのサービスも完全無料で利用できます。有料プランへの誘導はありますが、開業届の作成・提出だけなら一切費用はかかりません。
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開業届と一緒に提出すべき届出書
開業届だけでなく、以下の届出書も同時に提出しておくことをおすすめします。
青色申告承認申請書(必須レベル)
最大65万円の青色申告特別控除を受けるために欠かせない書類です。開業届と同時に提出するのがベストです。freee開業・マネーフォワード開業届のどちらでも、開業届と一緒に自動作成されます。
給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇う場合)
従業員やアルバイトを雇って給与を支払う場合に必要です。家族に専従者給与を支払う場合も対象になります。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員が常時10人未満の事業者は、源泉所得税を毎月ではなく年2回にまとめて納付できる特例があります。事務負担を減らすために、該当する方は提出しておきましょう。
青色事業専従者給与に関する届出書
配偶者や家族に給与を支払って経費にしたい場合に必要な届出書です。白色申告の場合は「事業専従者控除」(配偶者86万円、その他の親族50万円)しか認められませんが、青色申告なら適正な金額を全額経費にできます。

開業届の提出後にやるべきこと
開業届を提出したら、次にやるべきことを確認しておきましょう。
事業用の銀行口座を開設する
開業届の控え(受領印付き)があれば、屋号付きの銀行口座を開設できます。個人口座と事業口座を分けることで、経理作業が格段に楽になります。ネット銀行であれば、開設手続きもオンラインで完結するケースがほとんどです。
会計ソフトを導入する
開業と同時に会計ソフトを導入しておくと、初月からきれいに帳簿を付けることができます。後から遡って入力するのは非常に手間がかかるため、できるだけ早い段階での導入がおすすめです。freee、マネーフォワード クラウド、弥生のいずれも、個人事業主向けのプランが用意されています。
国民健康保険・国民年金の手続き
会社員を退職して独立する場合は、社会保険から国民健康保険・国民年金への切り替え手続きが必要です。退職日の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村の窓口で手続きを行いましょう。
事業用クレジットカードの作成
事業経費の支払いに使うクレジットカードを用意しておくと、経費管理の自動化がしやすくなります。会計ソフトとカード明細を連携すれば、経費の記帳がほぼ自動化できます。
開業届に関するよくある質問(Q&A)
Q. 開業届の提出期限を過ぎてしまった場合は?
開業日から1ヶ月以上経過してしまっても、提出すること自体に問題はありません。罰則もありません。ただし、青色申告承認申請書の提出期限(開業日から2ヶ月以内)に間に合わないと、その年は青色申告ができなくなるので注意してください。
Q. 副業で開業届を出す必要はある?
副業の所得が「事業所得」として認められるレベルであれば、開業届を出しておくのが望ましいです。ただし、年間数万円程度の小規模な副業であれば「雑所得」として扱われることが多く、開業届は不要です。
Q. 開業届を出すと会社にバレる?
開業届の提出自体で会社に通知されることはありません。ただし、住民税の納付方法を「特別徴収」のままにしていると、副業収入が会社に知られる可能性があります。確定申告の際に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」にすることで対策できます。
Q. 屋号は必ず決めないとダメ?
屋号は任意です。空欄のまま提出しても問題ありません。後から屋号を追加したい場合は、確定申告書に記載することで変更できます。
Q. 開業届の控えはもらえる?
税務署窓口で提出する場合は、控えを持参すればその場で受領印を押してもらえます。郵送の場合は、返信用封筒と控えを同封しましょう。電子申請の場合は、電子的に受付完了通知が届きます。
開業届と一緒に検討したいサービス
開業のタイミングで、以下のサービスも合わせて検討しておくと、事業のスタートがスムーズになります。
- クラウド会計ソフト:freee(月額1,480円〜)、マネーフォワード クラウド(月額1,280円〜)、やよいの青色申告オンライン(初年度無料あり)
- 事業用銀行口座:楽天銀行、PayPay銀行、GMOあおぞらネット銀行など、ネット銀行なら開設手数料無料
- ビジネスカード:freeeカード、三井住友ビジネスオーナーズなど、個人事業主でも作れるカード
- 小規模企業共済:掛金全額が所得控除。開業初年度から加入可能で、節税効果が大きい
特にクラウド会計ソフトは、開業と同時に導入しておくのが理想です。後から過去の取引を遡って入力するのは想像以上に大変な作業になります。
開業届についての補足:届出書の書き方のポイント
freee開業やマネーフォワード開業届を使わずに、自分で開業届を書く場合のポイントも押さえておきましょう。
「職業」欄には、なるべく具体的に記入することをおすすめします。「Webデザイナー」「ライター」「コンサルタント」など、業種がわかるように書きましょう。「自営業」だけでは税務署の分類が曖昧になります。
「届出の区分」では「開業」にチェックを入れます。「所得の種類」は通常「事業所得」を選択します。不動産収入がある場合は「不動産所得」も該当する場合があります。
まとめ
開業届の提出は、個人事業主としてのスタートラインです。freee開業やマネーフォワード クラウド開業届を使えば、専門知識がなくても最短5分で書類が作成でき、電子申請なら税務署に足を運ぶ必要すらありません。
開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出しておくことで、確定申告時に最大65万円の控除が受けられるようになります。これから事業を始める方は、ぜひ活用してください。

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