「クラウド会計ソフトって、大事な経理データをインターネット上に預けるわけだけど、セキュリティは本当に大丈夫なの?」――こんな不安を持つ方は少なくありません。
結論から言えば、主要なクラウド会計ソフトのセキュリティレベルは、金融機関と同等かそれ以上です。ただし、サービス側の対策だけでなく、利用者側でも気をつけるべきポイントがあります。
この記事では、クラウド会計ソフトのセキュリティ対策の仕組み、インストール型との比較、利用者側でやるべきセキュリティ対策まで、詳しく解説します。

🐧 ナビ助のおすすめ!
クラウド会計ソフトが採用しているセキュリティ対策
主要なクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード クラウド、弥生会計オンラインなど)が実施しているセキュリティ対策を見ていきましょう。
通信の暗号化(SSL/TLS)
クラウド会計ソフトでは、ユーザーのブラウザとサーバー間の通信がすべてSSL/TLSで暗号化されています。これはオンラインバンキングや電子商取引でも使用されている暗号化技術で、通信内容が第三者に傍受されても解読できない仕組みになっています。
データの暗号化保存
サーバーに保存されるデータ自体も暗号化されています。たとえサーバーが物理的に盗まれたとしても、暗号化されたデータは解読できません。AES暗号化方式など、高度な暗号化技術が採用されています。
多要素認証(二段階認証)
ログイン時にパスワードだけでなく、スマートフォンに送信されるワンタイムパスワードや認証アプリを使った二段階認証を設定できます。仮にパスワードが漏洩しても、第二の認証を突破しなければアクセスできないため、不正ログインのリスクを大幅に低減します。
データセンターの物理セキュリティ
クラウド会計ソフトのデータは、国内の高セキュリティなデータセンターに保管されています。24時間監視、入退室管理、耐震・防火設備などが完備されており、自社のオフィスにサーバーを置くよりも安全な環境です。
多重バックアップ
データは複数のサーバーに自動でバックアップされています。万が一、一部のサーバーに障害が発生しても、別のサーバーからデータを復旧できるため、データが完全に消失するリスクは極めて低いと言えます。
freee、マネーフォワード、弥生のいずれも、金融機関向けのセキュリティ基準を満たした環境でサービスを提供しています。個人のPCに会計データを保存するよりも、はるかに堅牢なセキュリティ対策が施されています。
クラウド型 vs インストール型のセキュリティ比較
「インストール型のほうが安全」と思われがちですが、それぞれにリスクがあります。
インストール型のリスク
- PCの故障・紛失:パソコンが壊れたら会計データも消える。バックアップを取っていなければ復旧不可
- ウイルス感染:PCがマルウェアに感染すると、ローカルに保存されたデータが漏洩する可能性がある
- 盗難:ノートPCを外に持ち出している場合、盗難による情報漏洩リスクがある
- ソフトウェアの更新管理:セキュリティアップデートをユーザー自身で適用する必要がある
クラウド型のリスク
- アカウント乗っ取り:パスワードの使い回しや脆弱なパスワードによる不正ログイン
- インターネット接続の盗聴:公共Wi-Fiなど安全でないネットワークでのアクセス
- サービス提供者の障害:サーバーダウンによる一時的なアクセス不可

各サービスのセキュリティ対策を比較
freee
- 通信暗号化:256bit SSL/TLS
- 二段階認証:対応(Google Authenticator等)
- データセンター:AWS(Amazon Web Services)を使用。世界中の主要企業が利用する堅牢なインフラ
- 第三者認証:SOC1/SOC2報告書取得済み、ISMS認証取得済み
- アクセス制限:IPアドレス制限、操作ログの記録
マネーフォワード クラウド
- 通信暗号化:256bit SSL/TLS
- 二段階認証:対応
- データセンター:国内のデータセンターを使用、冗長構成で災害対策済み
- 第三者認証:ISMS認証取得済み、JIS Q 27001対応
- セキュリティチーム:専門のセキュリティチームが24時間監視
弥生会計オンライン
- 通信暗号化:SSL/TLS暗号化
- 二段階認証:対応
- データセンター:Microsoft Azureを活用した安全なインフラ
- データバックアップ:複数拠点でのデータ冗長化
- 25年以上の会計ソフト運営実績によるノウハウ
3社ともに、通信暗号化・二段階認証・データセンターでの冗長バックアップという基本的なセキュリティ対策は完備しています。セキュリティ面だけで見れば、3社に大きな差はありません。
利用者側でやるべきセキュリティ対策5選
クラウド会計ソフト側のセキュリティがいくら堅牢でも、利用者側のセキュリティ意識が低ければ意味がありません。以下の対策を必ず実施しましょう。
1. 二段階認証を必ず有効にする
二段階認証はセキュリティ対策の中で最も効果的です。設定に数分かかるだけで、不正ログインのリスクを劇的に下げられます。まだ設定していない方は今すぐ有効にしてください。
2. パスワードを強固にする
「123456」や「password」のような脆弱なパスワードは絶対に使わないでください。英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上のパスワードを設定し、他のサービスとの使い回しは避けましょう。
3. 公共Wi-Fiでのアクセスを避ける
カフェやホテルの無料Wi-Fiは、通信が傍受されるリスクがあります。会計ソフトにアクセスする際は、自宅やオフィスのWi-Fi、またはスマートフォンのテザリングを使いましょう。
4. アクセス権限を適切に管理する
従業員やスタッフにアカウントを共有する場合は、必要最低限の権限のみを付与する「最小権限の原則」を徹底しましょう。管理者アカウントは限定された人だけがアクセスできるようにします。
5. 定期的にログイン履歴を確認する
会計ソフトのログイン履歴や操作ログを定期的に確認し、不審なアクセスがないかチェックする習慣をつけましょう。身に覚えのないログインがあった場合は、すぐにパスワードを変更してください。

🐧 ナビ助のおすすめ!
セキュリティ事故が起きた場合の対応
万が一、セキュリティに関する異常を感じた場合の対応手順も知っておきましょう。
不正ログインが疑われる場合
- すぐにパスワードを変更する
- 二段階認証が未設定なら有効にする
- ログイン履歴を確認し、不審なアクセスの日時・IPアドレスを記録する
- 会計ソフトのサポートに連絡して状況を報告する
- 他のサービスで同じパスワードを使っている場合は、すべて変更する
データの漏洩が疑われる場合
取引先や金融機関の情報が漏洩した可能性がある場合は、速やかに関係者に通知し、被害の拡大を防ぐ措置を取ることが大切です。個人情報保護委員会への報告が必要なケースもあります。
ただし、主要なクラウド会計ソフトでは、過去に大規模な情報漏洩事故は報告されていません。適切なセキュリティ設定を行っていれば、過度に心配する必要はありません。
よくある質問(Q&A)
Q. クラウド会計ソフトの会社が倒産したらデータはどうなる?
freee、マネーフォワード、弥生はいずれも上場企業またはその子会社であり、突然倒産するリスクは極めて低いと考えられます。万が一の場合でも、事前にデータのエクスポート(CSV等でのダウンロード)を定期的に行っておけば安心です。
Q. 銀行口座やクレジットカードを連携しても大丈夫?
金融機関との連携には「API連携」や「参照のみ」のアクセスが使われており、クラウド会計ソフトから資金を移動したり引き落としたりすることはできません。閲覧権限のみの連携なので、不正送金のリスクはありません。
Q. 税務調査でクラウド上のデータは証拠として認められる?
電子帳簿保存法の要件を満たして保存されている電子データは、税務調査における正式な証拠として認められます。クラウド会計ソフトの多くは電帳法に対応しているため、問題ありません。
Q. データのバックアップは自分でも取るべき?
クラウド側で自動バックアップが行われていますが、念のため定期的に会計データをCSVやPDFでエクスポートしておくと、より安心です。月に1回程度のバックアップを習慣にしましょう。
セキュリティを重視した会計ソフトの選び方
セキュリティを重視して会計ソフトを選ぶ場合は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 二段階認証に対応しているか
- ISMS等の第三者認証を取得しているか
- データセンターの所在地(国内か海外か)
- アクセスログの確認機能があるか
- IPアドレス制限やアクセス制限が設定できるか
まとめ
クラウド会計ソフトのセキュリティは、通信暗号化、データ暗号化、二段階認証、データセンターでの多重バックアップなど、金融機関レベルの対策が施されています。むしろ、個人のPCにデータを保存するインストール型のほうが、故障・盗難・ウイルス感染によるデータ消失リスクが高い場合もあります。
安全に利用するためのポイントは、二段階認証の設定、強固なパスワードの使用、公共Wi-Fiでのアクセス回避です。これらの対策をしっかり行えば、クラウド会計ソフトを安心して利用できます。

🐧 ナビ助のおすすめ!

