確定申告の時期になると、大量の書類を印刷して整理して…という作業に追われていませんか?実は、現在では確定申告を完全にペーパーレスで行うことが可能です。
e-Tax(電子申告)の普及やクラウド会計ソフトの進化により、申告書の作成から提出、さらには書類の保存まで、紙を一切使わずに完結する仕組みが整っています。紙の書類を税務署に持ち込んだり郵送したりする手間がなくなるだけでなく、青色申告の65万円控除を受けるための条件にもなっているため、対応しておいて損はありません。
この記事では、確定申告をペーパーレスで行うための具体的な方法と手順を詳しく解説します。

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確定申告をペーパーレスにする3つのメリット
1. 65万円の青色申告特別控除が受けられる
青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、複式簿記で記帳していることに加えて、e-Tax(電子申告)で申告するか、電子帳簿保存を行うことが条件になっています。紙で提出した場合の控除額は55万円に下がるため、ペーパーレス化は節税の面でもメリットがあります。
2. 税務署に行く手間が省ける
e-Taxを利用すれば、自宅やオフィスからインターネット経由で確定申告が完結します。確定申告期間中は税務署が非常に混雑するため、移動時間と待ち時間をゼロにできるのは大きなメリットです。しかも、メンテナンス時間を除いて休日も含め24時間利用可能です。
3. 書類の保管スペースが不要になる
電子帳簿保存法に対応した方法で書類をデジタル保存すれば、紙の書類を物理的に保管する必要がなくなります。領収書や請求書を段ボールに詰めて保管している方にとっては、スペースの節約にもなります。
ペーパーレス確定申告のメリットまとめ
- 65万円の青色申告特別控除が受けられる
- 税務署への移動・待ち時間がゼロ
- 紙の書類の保管スペースが不要
- 添付書類の提出も省略できる(源泉徴収票など)
- 提出後すぐに受付完了の通知が届く
ペーパーレス確定申告に必要な準備
マイナンバーカードを取得する
e-Taxで電子申告を行うには、マイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードがあれば、本人確認と電子署名を行うことができます。まだお持ちでない方は、お住まいの市区町村で申請してください。
なお、iPhoneでは「iPhoneのマイナンバーカード」機能が利用可能になっており、物理カードを使わずにスマートフォンだけで電子申告ができるようになっています(国税庁 スマホでe-Tax)。
ICカードリーダーまたはスマートフォン
パソコンからe-Taxを利用する場合は、ICカードリーダーが必要です。ただし、スマートフォンのNFC機能でマイナンバーカードを読み取ることもできるため、スマートフォンをICカードリーダー代わりに使う方法が手軽でおすすめです。
e-Taxの利用者識別番号を取得する
初めてe-Taxを利用する場合は、利用者識別番号の取得が必要です。マイナンバーカードを使って「マイナンバーカード方式」で利用登録すれば、ID・パスワードの事前登録なしで申告ができます。

e-Taxで確定申告を行う手順
ステップ1:確定申告書等作成コーナーにアクセス
国税庁の確定申告書等作成コーナー(国税庁 e-Tax利用方法)にアクセスし、「作成開始」をクリックします。
ステップ2:マイナンバーカードで認証
マイナンバーカードをICカードリーダーまたはスマートフォンで読み取り、本人確認を行います。初回利用時は利用者情報の登録が求められます。
ステップ3:マイナポータル連携で自動入力
マイナポータル連携を利用すると、源泉徴収票・医療費・ふるさと納税などの控除証明書データを一括取得して、申告書に自動入力できます。手入力の手間が大幅に減り、転記ミスも防げます。
ステップ4:収支内訳書・青色申告決算書を作成
事業所得がある場合は、収支内訳書(白色申告)または青色申告決算書を作成します。会計ソフトからデータをエクスポートして入力するか、会計ソフトから直接e-Taxへ送信することもできます。
ステップ5:電子送信して完了
すべての入力が完了したら、電子署名を行ってe-Taxで送信します。送信後、受付完了の通知がメッセージボックスに届くので、念のため確認しておきましょう。
e-Taxの利用可能時間は、確定申告期間中は24時間(メンテナンス時間を除く)ですが、期間外は利用時間が制限される場合があります。余裕を持って申告することをおすすめします。
クラウド会計ソフトとe-Taxの連携
freee × e-Tax
freee会計では、作成した確定申告書のデータを直接e-Taxに連携して電子送信することが可能です。freeeの画面上で申告書を作成し、そのままe-Taxに送信できるため、国税庁の作成コーナーを使う必要がありません。スマートフォンアプリからの電子申告にも対応しています。
マネーフォワード × e-Tax
マネーフォワード クラウド確定申告でも、e-Taxとの連携に対応しています。作成した申告データをe-Tax用の形式で出力し、電子送信することが可能です。マイナポータルとの連携により、控除証明書の自動取り込みもスムーズに行えます。
弥生 × e-Tax
やよいの青色申告オンラインでも、e-Tax送信機能が搭載されています。弥生のソフト上で確定申告書を作成し、そのまま電子申告まで完結させることができます。

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電子帳簿保存法への対応
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。記事執筆時点では、電子取引(メールやウェブでやり取りした請求書・領収書など)のデータ保存が義務化されているため、対応が必須となっています。
クラウド会計ソフトで対応する方法
freee・マネーフォワード・弥生のいずれも、電子帳簿保存法に対応した機能を提供しています。具体的には以下のような対応が可能です。
- レシートや領収書をスマートフォンで撮影して電子保存
- 取引先からメールで受け取った請求書をそのまま電子保存
- タイムスタンプの自動付与(改ざん防止)
- 検索要件を満たした状態での保存
これらの機能を活用すれば、紙の領収書や請求書を保管する必要がなくなり、完全なペーパーレス環境を実現できます。
スマートフォンだけで確定申告する方法
スマートフォン申告の対応範囲
記事執筆時点では、スマートフォンからでも確定申告が可能です。国税庁の確定申告書等作成コーナーはスマートフォンに対応しており、マイナンバーカードのNFC読み取りからe-Taxでの送信まで、スマートフォンだけで完結できます。
会計ソフトのスマートフォンアプリ
freeeやマネーフォワードのスマートフォンアプリでは、日々の経費入力からレシート撮影、確定申告書の作成まで対応しています。パソコンを持っていない方でも、スマートフォンだけでペーパーレスな確定申告を実現できる環境が整っています。

ペーパーレス確定申告の注意点
データのバックアップは忘れずに
ペーパーレスにする場合、データの消失リスクに備えてバックアップを取っておくことが重要です。クラウド会計ソフトのデータは基本的にクラウド上に保存されますが、定期的にCSVやPDFでエクスポートしておくことをおすすめします。
電子帳簿保存の要件を満たすこと
電子データで書類を保存する場合は、電子帳簿保存法の要件(タイムスタンプ、検索機能など)を満たす必要があります。会計ソフトの機能を使っていれば基本的にクリアできますが、自分で保存する場合は要件を確認しておいてください。
初回セットアップの手間
e-Taxの初回利用時はマイナンバーカードの登録やソフトウェアのインストールなど、セットアップに少し手間がかかります。ただし、一度設定してしまえば翌年以降はスムーズに使えるため、早めに準備しておくのがおすすめです。
よくある質問(Q&A)
Q. ペーパーレスで申告すると、紙の控えはもらえないのですか?
A. e-Taxで送信した場合、申告書の控えはPDFでダウンロードできます。また、受付日時と受付番号が記載された「受信通知」がe-Taxのメッセージボックスに届くため、申告した証拠として保管できます。
Q. マイナンバーカードがなくてもe-Taxは使えますか?
A. 「ID・パスワード方式」であれば、マイナンバーカードなしでもe-Taxを利用できます。ただし、この方式を利用するには事前に税務署で対面による本人確認が必要です。マイナポータル連携などの便利な機能も使えないため、できればマイナンバーカードの取得がおすすめです。
Q. 紙の領収書はすべて捨てても大丈夫ですか?
A. 電子帳簿保存法の要件を満たした方法で電子保存した場合は、原本の廃棄が可能です。ただし、スキャナ保存の場合は一定期間の原本保管が求められるケースもあるため、詳細は税理士や税務署に確認してください。
Q. 申告書の送信後に間違いに気づいた場合はどうすればよいですか?
A. 確定申告期間内であれば、再度e-Taxで訂正した申告書を送信すれば、最後に送信したものが有効になります。期限後に間違いに気づいた場合は、修正申告や更正の請求で対応します。
まとめ
確定申告のペーパーレス化は、e-Taxとクラウド会計ソフトを組み合わせることで、誰でも実現できるようになっています。65万円の青色申告特別控除を受けるための条件にもなっているため、まだ紙で申告している方はぜひ切り替えを検討してみてください。
マイナンバーカードの取得と初回のセットアップさえ済ませれば、翌年以降は自宅から数クリックで申告が完了します。手間と時間を大幅に節約できるペーパーレス申告、今年からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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