税理士との連携で「毎月データを送るのが面倒」「メールでExcelファイルをやりとりしている」という方は、まだ多いのではないでしょうか。クラウド会計ソフトを使えば、税理士とリアルタイムでデータを共有して、やりとりの手間を大幅に削減できます。
この記事では、freee・マネーフォワード・弥生の3大会計ソフトで税理士とデータを共有する具体的な方法を解説します。共有時の注意点やスムーズに連携するためのコツもあわせて紹介していきます。

税理士とデータ共有する方法は3つある
方法1:クラウド会計ソフトにアカウントを発行する
クラウド会計ソフトのアドバイザーアカウント(税理士用アカウント)を発行して、税理士に直接ログインしてもらう方法です。これが最も効率的で、現在の主流になっています。
- リアルタイムでデータを確認してもらえる
- ファイルのやりとりが不要
- 税理士が直接仕訳を修正・追加できる
- コメント機能でやりとりも可能(freeeの場合)
方法2:CSVやPDFでエクスポートして送る
会計ソフトからデータをエクスポートし、メールやクラウドストレージで税理士に送る方法です。クラウド会計を使っていない場合や、税理士側が対応していない場合に採用されます。
方法3:税理士に丸投げする
領収書や通帳コピーを税理士に渡して、入力から申告まですべて任せるパターンです。手間は最小ですが、記帳代行の費用がかかるため、コスト面では割高になりやすいです。
この方法を選ぶなら、記帳から申告までを引き受けている「ゼロ税理士事務所」のような事務所が候補になります。対応範囲や条件は公式サイトで確認できます。

コストと効率のバランスを考えると、クラウドアカウント共有が最もおすすめです。自分で日々の経理を行い、税理士にはチェック・修正・決算業務を担当してもらう分業体制がベストです。
freeeで税理士とデータを共有する方法
アドバイザー招待の手順
freee会計にログインし、「設定」→「メンバー招待」を選びます。税理士のメールアドレスを入力し、「アドバイザー」権限で招待します。税理士側がfreeeのアドバイザーアカウントを持っていれば、招待を受けるだけで即座にデータにアクセスできます。
税理士側の管理画面
freeeの認定アドバイザーは、専用の管理画面で複数のクライアントのデータを一括管理できます。税理士にとっても効率的な仕組みなので、freeeの認定アドバイザーを探して依頼するのも一つの手です。詳しくはfreee公式の税理士共有ガイドを参照してください。
コメント機能で質疑応答
freeeでは仕訳にコメントを残せる機能があります。「この経費は何ですか?」「この仕訳の勘定科目を変更しました」といったやりとりをfreee上で完結できるため、メールでの問い合わせが減ります。


マネーフォワードで税理士とデータを共有する方法
事務所アカウントとの連携
マネーフォワードには税理士・会計事務所向けの「事務所アカウント」という仕組みがあります。事務所アカウントを持つ税理士であれば、クライアントの事業者データに直接アクセスして確認・修正が可能です。
権限設定のポイント
税理士にアカウントを発行する際は、適切な権限レベルを設定しましょう。通常は「閲覧+仕訳編集」権限で十分です。管理者権限を渡す必要はない場合がほとんどなので、必要最小限の権限で共有するのが安全です。
弥生会計で税理士とデータを共有する方法
弥生会計オンラインの場合
弥生会計オンラインでは、税理士・会計事務所に「顧問先管理」機能を通じてデータを共有できます。税理士が弥生PAP(プロフェッショナル・パートナー・プログラム)に加入していると連携がスムーズです。
デスクトップ版の場合
弥生会計のデスクトップ版を使っている場合は、データファイルをエクスポートして税理士に送る形になります。USBメモリやクラウドストレージを使ってファイルを渡すのが一般的です。顧問税理士も弥生のデスクトップ版を使っている場合は、同じフォーマットでやりとりできるため変換作業が不要で効率的です。
税理士との連携をスムーズにするコツ
月次で仕訳を完了させる習慣をつける
「確定申告直前にまとめて仕訳」だと税理士のチェックも大変です。月次で仕訳を完了させて、翌月上旬に税理士にチェックしてもらうサイクルを作ると、問題の早期発見にもつながります。
不明点はその場でメモしておく
「これは何の経費だっけ?」と迷った仕訳は、会計ソフトのメモ機能やコメント機能で記録しておきましょう。あとから税理士に聞くときにスムーズですし、自分の記憶が新しいうちにメモしておくと回答も正確になります。
同じ会計ソフトを使っている税理士を選ぶ
これから税理士を探す場合は、自分が使っている会計ソフトに対応した税理士を選ぶのがベストです。freeeなら「freee認定アドバイザー」、マネーフォワードなら「MFクラウド対応事務所」を検索して探せます。税理士選びについては税理士の選び方のコツの記事も参考にしてください。
そもそも日々の入力ごと手放したいなら、記帳から申告までまとめて任せられる「ゼロ税理士事務所」に相談してみるのも手です。


Q&Aコーナー
Q. 税理士にアカウントを共有するのにセキュリティ面で不安はありませんか
freee・マネーフォワード・弥生のいずれも、税理士向けアカウントには適切な権限制限がかけられます。管理者権限を渡さなければ、設定の変更やアカウント削除はできません。また通信はすべて暗号化されているため、セキュリティ面のリスクは低いです。
Q. 税理士がクラウド会計に対応していない場合はどうすればいいですか
CSVやPDFでデータをエクスポートして渡す方法に切り替えましょう。ただし、今後のことを考えるとクラウド対応の税理士に切り替えるのも選択肢です。クラウド会計に強い税理士は税理士紹介サービスで探すこともできます。
Q. 税理士への共有に追加料金はかかりますか
freee・マネーフォワードのいずれも、税理士アカウントの追加に対する別途料金は基本的にかかりません。ただし利用プランによっては追加メンバー数に制限がある場合もあるため、各社の最新プランを確認してください。
Q. 税理士を変更した場合、データの引き継ぎはどうなりますか
旧税理士のアカウントを無効化し、新税理士のアカウントを追加すれば対応できます。会計データ自体は事業者側のアカウントに紐づいているので、税理士を変えてもデータがなくなることはありません。
税理士との連携がスムーズになると、経理業務全体のストレスが大きく減ります。まだファイルのやりとりで消耗しているなら、ぜひクラウド共有への移行を検討してみてください。
クラウド会計に対応した税理士を自分で探すのが難しい場合は、税理士紹介サービスを使う方法もあります。税理士ドットコムでは、相談したい内容を伝えたうえで税理士を紹介してもらえ、紹介は何人でも無料です。クラウド会計でのデータ共有に対応できるかどうかも含めて相談先を探したい方は、選択肢のひとつとして検討してみてください。



税理士とのデータ共有でよくある失敗と対策
共有後に仕訳が勝手に変更されていた
税理士に編集権限を与えると、税理士側が仕訳を修正することがあります。それ自体は問題ありませんが、事前に「修正時は連絡する」というルールを決めておくとトラブルを防げます。freeeのコメント機能を使えば、修正理由も記録に残ります。
税理士側のソフトとフォーマットが合わない
自分がfreeeを使っているのに税理士が弥生しか対応していない、というケースは結構あります。その場合はCSVエクスポートで対応するか、同じソフトに対応した税理士に切り替えることを検討しましょう。同じソフトを使っている税理士を選ぶのが長期的には最も効率的です。
データ共有後のセキュリティが心配
税理士にアカウントを共有する際は、管理者権限ではなく「閲覧+仕訳編集」の権限で共有するのが安全です。また、税理士を変更した際は、旧税理士のアカウントを速やかに無効化することを忘れないようにしましょう。


紙で渡す書類が残る場合の準備
クラウドで共有できるようになっても、契約書の原本や紙で届いた支払通知書など、どうしても現物を渡す書類は残ります。月ごとにファイルボックスへ立てておき、そのまま持参するようにしておくと、預けた書類と手元の書類が混ざりにくくなります。
遠方の税理士に郵送するなら、A4の書類を折らずに入れられる角2封筒が使いやすいです。決算期はまとめて送る機会が増えるので、箱で買い置きしている方もいます。
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