国や自治体から助成金・補助金を受け取ったとき、「これって経費になるの?」「どうやって仕訳すればいいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
助成金・補助金は原則として「収益(益金)」に計上され、法人税や所得税の課税対象になります。しかし、正しく経費処理を行えば税負担を適切にコントロールできます。
この記事では、助成金・補助金を受け取った際の勘定科目、仕訳方法、消費税の取り扱い、そして圧縮記帳による節税の仕組みまで、実務で使える知識をわかりやすく解説します。

🐧 ナビ助のおすすめ!
確定申告、今年こそラクに終わらせたい?

- ✅ 簿記の知識がなくても質問に答える形で進められる
- ✅ 銀行口座やクレジットカードと連携して取引を取り込める
- ✅ スマホアプリから入力・確認ができる
- ✅ 無料で試せるプランが用意されています
※料金・プランの詳細は公式サイトでご確認ください
自分でやる以外の手もあります。税理士を無料で紹介してもらえるサービスもあるので、時間をかけたくない方は比べてみてください。
税理士ドットコムで税理士を無料で探す⭐おすすめ記事
会計ソフト選びで迷ったら、こちらもあわせてどうぞ。

助成金・補助金の基本的な会計処理
助成金や補助金を受け取った場合、勘定科目は「雑収入」で処理するのが一般的です。本業の売上とは区別するため、「売上高」ではなく「雑収入」を使います。
助成金と補助金の違い
助成金と補助金はよく混同されますが、会計処理上はどちらも「雑収入」として扱うため、仕訳方法に大きな違いはありません。ただし、性質には以下のような違いがあります。
- 助成金:厚生労働省の管轄が多く、条件を満たせば受給できるケースが多い(例:雇用調整助成金、キャリアアップ助成金)
- 補助金:経済産業省の管轄が多く、審査があり採択される必要がある(例:IT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金)
収益計上のタイミング
助成金・補助金の収益を計上するタイミングは、「交付決定日」が原則です。実際に入金されるタイミングとは異なるため注意が必要です。
申請した時点では計上しません。「交付決定通知書」を受け取った日に収益を認識し、入金が後日になる場合は「未収入金」で処理します。
助成金・補助金の仕訳例
交付決定時の仕訳(入金前)
交付決定の通知を受けたが、まだ入金されていない場合:
借方:未収入金 500,000円 / 貸方:雑収入 500,000円
摘要:○○助成金 交付決定
入金時の仕訳
助成金が銀行口座に入金された場合:
借方:普通預金 500,000円 / 貸方:未収入金 500,000円
摘要:○○助成金 入金
交付決定と入金が同じ会計期間の場合
未収入金を使わず、入金時にまとめて仕訳することも可能です:
借方:普通預金 500,000円 / 貸方:雑収入 500,000円
摘要:○○助成金 受領


助成金・補助金の消費税の取り扱い
助成金・補助金は消費税の「不課税取引」に該当します。モノやサービスの対価ではないため、消費税はかかりません。
ただし、補助金で購入した備品や設備の代金自体には消費税がかかっています。消費税の申告では、この仕入れにかかった消費税を仕入税額控除の対象にできます。
- 助成金・補助金の受取 → 不課税(消費税がかからない)
- 助成金で購入した物品・サービス → 課税仕入れ(仕入税額控除の対象)
圧縮記帳で税負担を軽減する方法
補助金で固定資産(設備・機械など)を購入した場合、「圧縮記帳」を使うことで、その年の税負担を軽減できます。圧縮記帳とは、補助金の収益と固定資産の取得価額を相殺する会計処理の方法です。
圧縮記帳の仕組み
たとえば、100万円の補助金を受けて200万円の設備を購入した場合を考えます。
圧縮記帳をしない場合、補助金100万円がそのまま利益に計上され、その分の税金が発生します。しかし圧縮記帳を行えば、設備の取得価額を100万円(200万円−補助金100万円)に圧縮するため、補助金を受けた年に一気に課税されるのを避けられます。
ただし、圧縮記帳は課税の「免除」ではなく「繰延」です。取得価額が圧縮されることで、毎年の減価償却費が減るため、トータルでは同じ額の税金を払うことになります。
圧縮記帳の仕訳例(直接減額方式)
補助金100万円を受けて200万円の設備を購入した場合:
設備購入時:借方:機械装置 2,000,000円 / 貸方:普通預金 2,000,000円
補助金受取時:借方:普通預金 1,000,000円 / 貸方:雑収入 1,000,000円
圧縮記帳時:借方:固定資産圧縮損 1,000,000円 / 貸方:機械装置 1,000,000円
圧縮記帳が適用できるのは、国庫補助金等で固定資産を取得した場合です。人件費や広告宣伝費など、経費として処理される支出に使った補助金には圧縮記帳は適用できません。


個人事業主が助成金を受け取った場合
個人事業主が助成金・補助金を受け取った場合も、基本的な仕訳は法人と同じです。勘定科目は「雑収入」で処理し、確定申告では事業所得の一部として申告します。
個人事業主の場合の注意点
- 受け取った助成金は事業所得として総合課税の対象になる
- 個人事業主でも圧縮記帳の適用は可能(国庫補助金等で固定資産を取得した場合)
- 所得が増えることで、所得税率が上がったり国民健康保険料に影響する可能性がある
- 青色申告をしていれば、助成金の受取と同時期に発生した経費との相殺で税負担を調整できる
助成金の勘定科目を間違えやすいケース
「売上高」に計上してしまう
助成金は本業のサービス提供に対する対価ではないため、「売上高」に計上するのは適切ではありません。「雑収入」または「補助金収入」(勘定科目を自分で追加する場合)で処理しましょう。
経費を差し引いた金額で計上してしまう
助成金の受取額から経費を差し引いた純額で計上するのは誤りです。助成金は全額を「雑収入」として計上し、経費は経費として別々に計上するのが正しい処理です。
よくある質問(Q&A)
Q. 助成金を申請したが不採択になった場合の処理は?
不採択の場合は収益が発生しないため、仕訳は不要です。申請にかかった費用(書類作成費用など)は「支払手数料」や「雑費」として経費計上できます。
Q. 助成金を返還しなければならなくなった場合は?
助成金の返還が必要になった場合は、返還時に「雑収入」の取り消し(マイナス計上)または「雑損失」として処理します。前期に計上した助成金の返還であれば、当期の「雑損失」として計上するのが一般的です。
Q. 持続化補助金などの経費補助型の補助金はどう処理する?
経費を先に支出し、後から補助金を受け取る場合でも、仕訳の考え方は同じです。経費は発生時に通常どおり計上し、補助金は交付決定時に「雑収入」として計上します。
Q. 雇用関係の助成金も「雑収入」で処理する?
はい、キャリアアップ助成金や雇用調整助成金なども「雑収入」で処理します。給与の補填として受け取る助成金であっても、給与の勘定科目ではなく「雑収入」で仕訳するのが正しい処理です。
Q. 会計ソフトではどう入力すればいい?
freee、マネーフォワード、弥生などのクラウド会計ソフトでは、「取引の登録」画面で収入の勘定科目に「雑収入」を選択し、摘要欄に助成金の名称を記入すれば完了です。圧縮記帳を行う場合は、別途「固定資産圧縮損」の仕訳を追加します。


助成金の書類と仕訳の判断材料
助成金は申請書・交付決定通知・実績報告と書類が段階的に増えていきます。案件ごとにまとめて保管しておくと、入金時期と収益計上のタイミングを照らし合わせるときに探し回らずに済みます。
「この支出はどの科目か」で手が止まりやすい方には、勘定科目を引ける事典を1冊置いておくという手もあります。
まとめ
助成金・補助金は「雑収入」として収益に計上し、消費税は不課税取引として扱います。収益の計上タイミングは「交付決定日」が原則です。
固定資産を取得した場合は「圧縮記帳」を活用することで、その年の税負担を軽減できます。個人事業主の場合も法人と同様の仕訳方法で処理できるので、会計ソフトを活用して正しく記帳しましょう。
関連記事:青色申告の帳簿の付け方|初心者でもわかる記帳のコツと具体例
⭐おすすめ記事
会計ソフト選びで迷ったら、こちらもあわせてどうぞ。



🐧 ナビ助のおすすめ!
確定申告、今年こそラクに終わらせたい?

- ✅ 簿記の知識がなくても質問に答える形で進められる
- ✅ 銀行口座やクレジットカードと連携して取引を取り込める
- ✅ スマホアプリから入力・確認ができる
- ✅ 無料で試せるプランが用意されています
※料金・プランの詳細は公式サイトでご確認ください


