確定申告をオンラインでやろうとすると、「国税庁の確定申告書等作成コーナー」と「e-Tax」という2つの言葉が出てきて混乱する方が多いです。「結局どっちを使えばいいの?」「同じものじゃないの?」と疑問に思うのも当然です。
結論から言うと、確定申告書等作成コーナーは申告書を「作る」ツール、e-Taxは申告書を「送る」仕組みです。役割が異なるので、実は両方を組み合わせて使うのが一般的です。
この記事では、国税庁のサービスとe-Taxの違いをわかりやすく整理し、自分に合った確定申告の方法を見つけられるように解説していきます。

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確定申告書等作成コーナーとは
基本的な役割
「確定申告書等作成コーナー」は、国税庁が提供する無料のオンライン申告書作成ツールです。画面の案内に沿って金額を入力していくだけで、所得税・消費税・贈与税の申告書や、青色申告決算書・収支内訳書を作成できます(国税庁 確定申告書等の作成)。
あくまで「作成ツール」なので、このコーナーだけでは申告書を税務署に送信することはできません。送信するにはe-Taxの仕組みが必要になります。
確定申告書等作成コーナーでできること
- 所得税の確定申告書(申告書A・B)の作成
- 青色申告決算書の作成
- 収支内訳書の作成
- 消費税及び地方消費税の申告書の作成
- 贈与税の申告書の作成
- 作成した申告書の印刷(郵送提出用)
- 作成した申告書のe-Tax送信
「作成した申告書のe-Tax送信」ができるのがポイントです。つまり、確定申告書等作成コーナーの中にe-Tax送信機能が組み込まれているということです。
e-Taxとは
基本的な役割
e-Tax(国税電子申告・納税システム)は、税務署に各種申告書や届出書をインターネット経由で送信するシステムです。正式名称は「国税電子申告・納税システム」で、国税庁が運営しています(e-Tax公式サイト)。
e-Tax自体は「送信の仕組み」なので、申告書の作成機能は限定的です。申告書の作成には「確定申告書等作成コーナー」や「e-Taxソフト」、あるいは市販の会計ソフトを使います。
e-Taxの利用形態は3つ
e-Taxには主に3つの利用形態があります。
e-Taxの3つの利用形態
- 確定申告書等作成コーナーからの送信:最も利用者が多い。作成と送信が一体化していて使いやすい
- e-Taxソフト(WEB版):ブラウザベースで各種届出書の作成・送信ができる。法人利用も可能
- e-Taxソフト(ダウンロード版):パソコンにインストールして使う。税理士等の専門家向け


確定申告書等作成コーナーとe-Taxの違いを比較
違いを一覧で整理
| 比較項目 | 確定申告書等作成コーナー | e-Tax(送信システム全体) |
|---|---|---|
| 役割 | 申告書の「作成」と「送信」 | 申告書の「送信」の仕組み |
| 運営 | 国税庁 | 国税庁 |
| 利用料金 | 無料 | 無料 |
| 申告書の作成 | 画面入力で自動作成 | e-Taxソフトで作成可能(作成コーナーとは別機能) |
| 送信機能 | e-Taxの仕組みを使って送信 | 送信そのもの |
| スマホ対応 | 対応 | 確定申告書等作成コーナー経由で対応 |
| 印刷提出 | 可能(PDF出力して郵送) | 電子送信専用 |
| 利用者 | 主に個人 | 個人・法人ともに利用可能 |
ポイント:「確定申告書等作成コーナー」はe-Taxの一部
整理すると、確定申告書等作成コーナーはe-Taxの「入口」のひとつです。作成コーナーで申告書を作り、その場でe-Taxに送信するという流れが、個人の確定申告では最も一般的なパターンです。
「e-Taxを使って確定申告する」とは、多くの場合「確定申告書等作成コーナーで作成してe-Tax送信する」ことを指しています。
e-Taxソフト(WEB版)とは何が違う?
e-Taxソフト(WEB版)の役割
確定申告書等作成コーナーと混同されやすいのが「e-Taxソフト(WEB版)」です。こちらは確定申告書の作成ではなく、各種届出書や申請書の作成・送信に使われることが多いツールです(e-Tax 個人でご利用の方)。
例えば以下のような手続きで使います。
- 開業届(個人事業の開廃業届出書)の電子提出
- 青色申告承認申請書の電子提出
- 各種届出書・申請書の作成と送信
- メッセージボックスの確認(税務署からのお知らせ)
個人の確定申告で使い分ける場面
一般的な確定申告では「確定申告書等作成コーナー」だけで十分です。e-Taxソフト(WEB版)は、開業届や青色申告の届出など、確定申告以外の手続きで使う場面が出てきます。
e-Taxソフト(WEB版)と確定申告書等作成コーナーはURLが異なるサービスです。確定申告書を作りたい場合は「確定申告書等作成コーナー」にアクセスしてください。間違えてe-Taxソフト(WEB版)にログインすると、目的の画面にたどり着けない場合があります。
結局どれを使えばいいの?ケース別おすすめ
ケース1:初めて確定申告する個人事業主・フリーランス
「確定申告書等作成コーナー」からe-Tax送信するのがおすすめです。画面の案内に沿って入力するだけで申告書が完成するので、税務の知識がなくても問題ありません。
ケース2:会計ソフトを使っている方
freee・マネーフォワード・弥生などの会計ソフトには、帳簿データをもとに確定申告書を作成し、e-Tax送信する機能が内蔵されています。この場合、確定申告書等作成コーナーを使わずに申告が完結します。
ケース3:書面で提出したい方
確定申告書等作成コーナーで申告書を作成し、PDF形式で印刷して税務署に郵送する方法もあります。e-Taxを使わなくても申告書の作成自体は無料でできます。


e-Taxで確定申告するメリット
メリット1:自宅から申告できる
税務署に出向く必要がなく、24時間いつでも送信できます。確定申告期間中の税務署の混雑を避けられるのは大きなメリットです。
メリット2:還付金の処理が早い
e-Taxで送信した場合、書面提出に比べて還付金の処理が早くなります。一般的には、e-Tax送信から2〜3週間程度で還付金が振り込まれます(書面提出の場合は1か月〜1か月半程度)。
メリット3:青色申告65万円控除の要件を満たせる
青色申告で65万円の特別控除を受けるには、e-Taxでの電子申告が要件のひとつになっています。e-Taxを使わずに書面提出した場合、控除額は55万円に減額されます。
メリット4:添付書類の提出を省略できる
e-Taxで送信する場合、源泉徴収票や生命保険料控除証明書などの添付書類の提出が省略できます(ただし、手元に5年間保管する義務はあります)。
Q&Aコーナー
Q. 確定申告書等作成コーナーで作った申告書を印刷して提出してもいい?
はい、問題ありません。e-Tax送信と書面提出のどちらかを選べます。ただし、青色申告65万円控除を受けるにはe-Tax送信が条件なので、青色申告の方はe-Tax送信がおすすめです。
Q. e-Taxソフトと確定申告書等作成コーナー、どちらが便利?
個人の確定申告だけなら確定申告書等作成コーナーの方が便利です。e-Taxソフトは画面が複雑で専門知識を前提とした設計になっています。確定申告書等作成コーナーは一般の方向けにわかりやすく設計されているので、まずはこちらを使いましょう。
Q. 確定申告期間外でもe-Taxは使える?
e-Taxの送信自体は確定申告期間外でも利用可能です。ただし、還付申告は確定申告期間に関係なく5年以内であれば提出できるため、期限に遅れた場合でもe-Taxで送信できます。
Q. e-Taxで送信した申告書は修正できる?
はい、修正申告もe-Taxで送信できます。確定申告書等作成コーナーで「修正申告書」を作成し、再度送信すればOKです。
送信環境と、5年間の保管が必要になる書類
どちらを使う場合でも、最後は電子証明書での本人確認を通ることになります。NFC対応スマホがあればそれで足りますが、非対応の端末やパソコンだけで完結させたい場合は、公的個人認証サービス対応のICカードリーダライタを使う手もあります。対応OSは製品ごとに違うので、商品ページで確認してみてください。
もうひとつ見落としやすいのが、メリット4で触れた「添付書類の省略」です。提出は不要でも、源泉徴収票や控除証明書は5年間手元に保管する義務が残ります。A4のファイルボックスに年度ごとにまとめておくと、あとから提示を求められたときに慌てずに済みます。
まとめ
国税庁のサービスとe-Taxの違いを整理すると、以下のとおりです。
- 「確定申告書等作成コーナー」は申告書を作るツール、「e-Tax」は送るシステム
- 個人の確定申告は「確定申告書等作成コーナー→e-Tax送信」が最も一般的
- 会計ソフトから直接e-Tax送信する方法もある
- e-Taxソフト(WEB版)は届出書の提出などで使うが、確定申告には確定申告書等作成コーナーで十分
- e-Tax利用のメリットは、還付金の早期処理・青色申告65万円控除・添付書類の省略など
名前が似ていて紛らわしいですが、役割の違いを理解しておけば迷うことはありません。自分に合った方法で、効率的に確定申告を済ませましょう。
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