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法人税の申告のやり方|必要書類・手順・期限をわかりやすく解説

経理効率化

法人を運営していれば、毎年やってくるのが法人税の確定申告です。「どんな書類が必要なの?」「何をどこに提出するの?」「申告期限はいつ?」と疑問を持つ方は多いでしょう。

法人税の申告とは、事業年度の所得(利益)に基づいて法人税額を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。個人の確定申告とは書類や手続きの流れが大きく異なり、提出書類の数も多くなります。

この記事では、法人税申告に必要な書類から具体的な手順、申告期限、よくあるミスと注意点まで、初めての方にもわかるように丁寧に解説します。会計ソフトを活用した効率的な進め方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ナビ助
ナビ助
法人税の申告って、別表がたくさんあって見た目はゴツいけど、一つずつ順番に埋めていけば大丈夫。会計ソフトで決算書を作ったあとの工程だから、そこまでできていれば半分は終わってるようなものだよ!

法人税の申告で提出が必要な書類

法人税の確定申告では、以下の書類を税務署に提出します。書類の量は個人事業の確定申告と比べてかなり多いですが、会計ソフトで決算書を作成していれば、その延長線上で準備できるものがほとんどです。

ポイント
  • 法人税申告書(別表一〜別表十六など、該当する別表すべて)
  • 決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)
  • 勘定科目内訳明細書(売掛金、買掛金、借入金、固定資産などの内訳)
  • 事業概況説明書(法人概況説明書):法人の基本情報、主な取引先、事業内容を記載
  • 適用額明細書(税額控除等を受ける場合に提出)

法人税申告書の「別表」とは

法人税申告書は「別表」と呼ばれる複数の計算書で構成されるのが特徴です。個人事業の確定申告書のように1枚で完結するものではなく、何枚もの別表を組み合わせて税額を算出します。基本的にどの法人も提出が必要な別表は以下の5つです。

  • 別表一:法人税額の確定申告書本体。課税所得に税率を掛け、控除額を差し引いて最終的な納付税額を記載する
  • 別表二:同族会社の判定に関する明細書。株主の持株割合を記載し、同族会社に該当するかどうかを判定する
  • 別表四:所得金額の計算。会計上の利益に税務上の加算・減算を行い、課税所得を算出する。法人税申告の中核となる書類
  • 別表五(一):利益積立金額・資本金等の計算。前期からの繰越利益や増資などの変動を記録する
  • 別表五(二):租税公課の納付状況の一覧。法人税、住民税、事業税の納付済み額と未納額を整理する

このほか、減価償却がある場合は別表十六、繰越欠損金がある場合は別表七、交際費の損金不算入がある場合は別表十五の提出も必要になります。該当する別表が多いほど作成の手間が増えるため、初めての方は税理士への相談も検討しましょう。

法人税の税率

法人税率は法人の規模や所得金額によって異なります。中小法人には軽減税率が適用されるため、規模の小さい法人のほうが税率面では有利です。

中小法人の場合(資本金1億円以下)

  • 所得800万円以下の部分:15%(軽減税率。適用期限あり。最新の期限は国税庁の公式サイトで確認してください)
  • 所得800万円超の部分:23.2%

たとえば課税所得が1,000万円の中小法人であれば、800万円 × 15% + 200万円 × 23.2% = 166.4万円が法人税額の目安です。

注意

法人税に加え、法人住民税(都道府県民税・市区町村民税)と法人事業税も申告が必要です。これらを合わせた実効税率は、中小法人で概ね33〜35%程度になります。さらに記事執筆時点の税制改正では防衛特別法人税(法人税額の4%・基礎控除500万円)の導入が予定されています。最新の税制は国税庁の公式サイトで確認してください。

法人税申告の具体的な手順

手順1:決算書を完成させる

法人税申告の前提として、まず決算書(損益計算書・貸借対照表等)を作成します。会計ソフトで仕訳入力と決算整理が済んでいれば、ボタンひとつで出力できます。前期との比較で大きな変動がないかも確認しておきましょう。決算書の数字が法人税申告のすべての土台になるため、ここでの正確さが重要です。

手順2:別表四で課税所得を計算する

別表四は、会計上の利益(当期純利益)に税務上の調整を加えて課税所得を算出するための書類です。会計上は経費になるものでも、税務上は損金にならないものがあり、その差を調整します。

  • 加算項目の例:交際費の損金不算入額(中小法人は年間800万円まで損金算入可能、超過分は加算)、役員報酬の損金不算入額、減価償却の超過額、寄附金の損金不算入額
  • 減算項目の例:受取配当金の益金不算入額、前期で損金不算入だった事業税の当期損金算入、繰越欠損金の控除

手順3:別表一で税額を計算する

別表四で算出した課税所得に法人税率を掛けて税額を計算します。中間納付がある場合はその分を差し引き、最終的な納付税額を求めます。税額控除(所得拡大促進税制、研究開発税制など)がある場合は、この段階で反映します。

手順4:地方税の申告書を作成する

法人住民税と法人事業税は、法人税の申告とは別に都道府県税事務所と市区町村に申告します。法人住民税は法人税額をベースに計算されるため、法人税の申告が先に必要です。複数の自治体に事業所がある場合は、それぞれの自治体に申告を行います。

手順5:申告書を提出し、納税する

申告はe-Tax(国税)とeLTAX(地方税)で電子申告が可能です。資本金1億円超の法人はe-Taxによる電子申告が義務化されています。中小法人は書面提出も認められていますが、電子申告のほうが効率的で、提出の記録も残しやすいです。

納税は電子納税、ダイレクト納付、クレジットカード納付、窓口納付などに対応しています。振替納税は法人税では利用できない点に注意しましょう。

ナビ助
ナビ助
e-Taxで電子申告すれば、わざわざ税務署に行かなくていいから便利だよ。法人の電子証明書かマイナンバーカード(代表者個人のもの)があれば利用できるから、まだ準備してない人は早めに取得しておこう。

法人税申告の期限と届出による延長

法人税の申告期限は、事業年度終了日の翌日から2か月以内です。3月決算法人なら5月31日が期限となります。土日祝日に当たる場合は翌営業日が期限です。

ただし、「申告期限の延長の特例」を届け出ることで、申告期限を1か月延長できます。定款に「定時株主総会は事業年度終了後3か月以内に開催する」と定められている法人などが対象です。会計監査を受ける法人や、決算確定が遅れがちな法人では、この届出を出しておくと安心です。

なお、申告期限の延長はあくまで「申告」の期限であり、「納税」の期限は延長されません。期限内に見込み額を納付し、確定申告後に精算する形になります。見込み額と確定額の差額には利子税がかかる場合があります。

法人税の申告でやりがちなミス

法人税の申告では、以下のようなミスが頻繁に見受けられます。税務調査でも指摘されやすいポイントなので、事前に確認しておきましょう。

  • 交際費の損金不算入額を計上し忘れる:中小法人は年間800万円まで損金算入可能だが、超過分は別表十五で加算する必要がある。1人あたり1万円以下の飲食費は交際費から除外できるルールもあるため、区分を正確に行う
  • 役員報酬の定期同額給与の要件を見落とす:期中に金額を変更すると損金不算入になる場合がある。変更が認められるのは期首から3か月以内が原則
  • 消費税の申告を忘れる:法人税と消費税は別の申告書。課税事業者は両方の申告が必要
  • 地方税の申告を漏らす:法人税だけ申告して地方税の申告を忘れるケースがある。都道府県と市区町村の両方に提出が必要
  • 繰越欠損金の控除を忘れる:過去の赤字を繰り越している場合、別表七で控除を行う必要がある。控除し忘れると余計に税金を払うことになる
  • 中間申告を忘れる:前期の法人税額が20万円超の場合、中間申告が必要。忘れると加算税が発生する
ナビ助
ナビ助
交際費と役員報酬の調整は見落としがちなポイントだよ。税務調査でもよく指摘される項目だから、正しく計上しておこう。初年度は特に税理士にチェックしてもらうのがおすすめだよ。

法人税申告に使える会計ソフト

法人税申告の準備(決算書の作成)には、クラウド会計ソフトが有効です。日々の仕訳入力から決算書の出力まで対応しており、税理士とのデータ共有もスムーズです。

ポイント
  • freee会計:法人向けプランで決算書出力、法人税申告書の一部作成に対応。UIがシンプルで初心者でも取り組みやすい
  • マネーフォワード クラウド会計:法人決算に必要なレポートが充実。税理士との共有がスムーズで、連携実績も豊富
  • 弥生会計オンライン:法人専用のクラウド会計。電話サポートが手厚く、操作の不明点をその場で解決できる

よくある質問(Q&A)

Q. 法人税の申告は自分でできる?

法的には可能です。ただし、別表の作成には税務の専門知識が必要なため、小規模法人や赤字法人を除き、税理士に依頼するのが一般的です。決算書までは自分で作り、申告書作成だけ税理士に頼む方法もあります。

Q. 赤字でも法人税の申告は必要?

赤字(欠損金が発生)でも申告義務はあります。赤字の申告をしておくことで、翌期以降の黒字と相殺(繰越欠損金の控除)ができるため、申告しておくことが重要です。法人の場合、欠損金は10年間繰り越せます。

Q. 法人税の中間申告とは?

前期の法人税額が20万円を超える法人は、事業年度の中間時点で「中間申告」が必要です。前期の税額の半分を予定納税するか、仮決算を行って申告します。中間申告を忘れると無申告加算税が課される場合があります。

Q. 決算期の変更はできる?

株主総会の決議と定款変更によって決算期を変更することは可能です。変更後は税務署への届出も必要になります。繁忙期を避けた決算期に変更することで、経理担当者の負担を軽減できる場合があります。

まとめ

法人税の申告は、決算書をもとに別表を作成し、税務署・都道府県・市区町村に提出する手続きです。中小法人の法人税率は所得800万円以下が15%、超過分が23.2%で、申告期限は事業年度終了から2か月以内です。

別表の作成は専門性が高いため、会計ソフトで決算書を仕上げたら、税務申告は税理士との連携を検討するのが安全です。電子申告(e-Tax・eLTAX)を活用して、効率的に手続きを進めましょう。

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参考:国税庁 – 法人税の申告

参考:マネーフォワード – 法人税の確定申告のやり方

参考:弥生公式 – 法人税申告書の書き方

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